HOME > 美作国の織と色彩
美作国の織と色彩
メッセージを送る

1300年の時を超えて受け継がれる美作国の織と色彩。
「美作国の織と色彩」は、美作国において発展をとげたと伝わる幻の織物「倭文織」復元の取組みや、現代で活躍する染織作家の作品展示とワークショップを通じて、歴史的町家とのコラボレーションをお楽しみいただけます。

会 期:2012年12月15日(土)〜24日(月・祝)
会 場:城東むかし町家(旧梶村家住宅)
入場料:無料
カテゴリ一覧
全て表示
未分類 ( 11 )
一覧に戻る
展覧会について イベント
2012 年11 月 30 日(金)
およそ1300年前、あるいはそれ以前から、わが国に倭文織(しずおり)と呼ばれる織の技法が存在していたことを、当時の史料から知ることができます。

津山市倭文(しとり)(旧久米町倭文)は、平安時代に編纂された「和名類聚抄」にも見られる地名で、 その名のとおり、倭文織の生産拠点であったと考えられますが、今この地で、現物も技法も失われてしまったその織物を再生しようという動きが生まれています。
また、同じように失われようとしていた作州絣を復活させ伝えていこうとする動きも生まれています。

私たちの生活に欠かせないものとして、「衣」「食」「住」の三つがあげられますが、 「衣」に関して私たちはもはや伝統的な様式を日常生活の中にほとんど残していません。

それは「食」や「住」とは違って、「衣」が私たちの身体的振る舞いと常に強く結びつき、 同時に私たち自身の為人(ひととなり)を常に表現し続けるものであり、時代により変化する生活のあり方に大きく左右されるからだと考えられます。 それを時代の要請と言うなら、抗うことはできないのかもしれません。
しかし、少なくとも、私たちが何を身につけ、そこにどのような色や文様を与え、 そしてそれを身につけることで何を思い、何をなしてきたのか。それを知り、伝えることは、 私たち自身が何ものであるのかを知ることと、未来へその思いを伝えていくことにつながります。

過去から現在までの美作の織と染の素材と技法、そうして作り上げられた品々が、 城東むかし町家という、同じく長い時間の中でさまざまな技法と意匠とを取り込んできた象徴的な空間で出逢います。
そこは、長い時間をかけて積み上げ、組み替えられてきた、私たちの生活様式のある重要な断面が、鮮やかにその切り口を見せてくれる場となります。

技術的な素晴らしさや美しさをご覧いただくのはもちろんのこと、ぜひこの機会に、 それを織り、染める人々が一本一本の糸に込めている思いに耳を傾けてみてください。 いつか身につけた何かに袖を通したときのワクワクする気持ち、嬉しい気持ちを喚び起こしてみてください。
これらはひとつながりのものであり、そのつながる思いは、長い時間の中で連綿と受け継がれてきたものなのです。

これから時代がどのように変化していくとしても、私たちの日常がそのような思いで満たされ、紡がれ続けていくものであることを願います。
一覧に戻る
| 次のページ
このページのトップへ



©2012 - 2013 pocket bussiness, all rights reserved. みんなの情報交流広場 ポケネス