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Vol.03 シニアライフを二人で愉しむ家 建築・土木 / コラム・記事
2013 年3 月 25 日(月)
シニアライフを二人で愉しむ家
 クライアントは東京都内にお住まいだった60代前半のご夫妻。敷地は高峰山麓に位置し、南西に勾配が下り小諸市街が望める。敷地の東面に沿って接道し、周囲は畑に囲まれ民家が点在するという風情となっている。遠くに北アルプスの稜線が望め、ロケーションが抜群なことがこの敷地をご夫妻の「終の棲家」と決めた一番の決め手となった。
 景色を楽しむためとはいえ西側にリビングの大開口とデッキという普通は有り得ない計画だが、四季を通じて自然の移ろいを感じたいとの思いを受けとめて計画された。標高1、000mという立地条件で平野部より夏日が少ないこと、山風、谷風を考慮しての開口部の設置、視線を考慮した壁、植栽の配置、越屋根に依る採光、通風の取り込みなどにより、一番長時間居るで在ろう30帖のLDKが快適であることに留意した。
 また、西側の大開口に連なるデッキを配することにより、谷側の風景に対して浮遊しているかの様な感覚の中で四季の風景を楽しめることは、夏の暑さ、冬の寒さのマイナス面を考慮しても余りある贅沢ではないかと思う。 平面計画は、LDKを中心に主寝室、ゲストルームを配しそれぞれに水廻りを設置した。これは海外生活が長かったクライアントご夫妻のライフスタイルに起因している。
 床面は勾配のある敷地ながら玄関とガレージからのアプローチ以外全てフラットとし、老後への対応を考慮した。また敷地の高低差を利用し高基礎部分に床下倉庫を設置した。さらに郊外に位置し、自動車での移動が主となるためガレージから室内に直接入れる動線を取り入れ、寒さや熊対策も兼ねている。
 夏場でも朝晩は涼しく冷房はあまり必要ないが、右記の様に通風は考慮しなければならない。接道するため開口部の少ない東面であるが、玄開扉内側にもロール網戸を隠し込み盛夏の通風にも配慮した。冬場の暖房はLDKに設置した薪ストーブの暖気を各部屋に行き渡らせることを考慮して、また車椅子対応としても使い勝手の良い引戸を採用した。帽射熟により、空気ばかりでなく水廻りの床タイルまで暖かくなり快適に過ごせることとなった。
 外観は風によって周囲の畑や未舗装の道路から降り注ぐ土埃を考慮してシルバーのガルバリウム鋼板の屋根と外壁、アクセントに黒の杉板貼りとした。屋根形状は「寄せ棟平入り」とでも言うのだろうか。建築素材もライフスタイルも現代風であるが、何処か日本の原風景の中に溶け込んでも違和感の無いよう心掛けた。
  • 臼井 祥文 YOSHIFUMI USUI
  • 建築家 一級建築士 津山市出身
  • 1958  岡山県津山市生まれ
  • 1977  津山工業高校建築科卒業
  • 1979  東京デザインアカデミー卒業
  • 1979-82 神谷五男十都市環境建築設計所
  • 1984-89 (株)デザインショップ・アーキテクツ
  • 1991  studio U、DSA及びフリーランスとして活動
  • 2005  D-works labo設立

小諸の家/概要

  • 設  計
  • 臼井祥文/D-works labo
  • 施  工
  • 根岸一喜/アーキシュ
  • 建築場所
  • 長野県小諸市
  • 竣工期日
  • 2011年12月
  • 用  途
  • 一戸建ての住宅
  • 構  造
  • 木造在来工法
  • 規  模
  • 平屋建て
  • 敷地面積
  • 534.44平方メートル
  • 建築面積
  • 133.95平方メートル
  • 延床面積
  • 127.32平方メートル
  • (ガレージ19.87uを含む)
  • 建築費用
  • 2700万円
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